中宇治の小商い複合施設
- 京都府宇治市宇治妙楽17-8
宇治の町家と建具工場だった建物を、小商い三店舗とイベントスペースの小商い複合施設へとリノベーションした。
宇治は、平等院やお茶処として有名な歴史ある街だが、メインストリートの店は画一的で雰囲気良く食事できる店が見当たらない。地元の人が楽しめるような店も、飲食・物販ともに足りていない。そんな宇治の未来に危機感を覚えた地元の方々と組み、まず一つの建物をリノベーションすることを試みた。町家と建具工場だった建物に、小商い三組を集り、地域のイベントスペースを併設する「小商い複合施設」とした。
スケルトン状態で現場見学会
「宇治の真ん中で小商い、はじめませんか」をメッセージとし、工事前に現場見学会を行った。結果、地元の人や小商い希望者など 約100名の方に来ていただいた。解体現場さながらのスケルトンの状態で見てもらうことで、地元の人にはこう生まれ変わるんだと体感してほしい、入居希望者には、この施設を一緒に育てる共犯者になってほしい、という狙いがあった。
書類や面談、実演と審査のハードルを上げ、それでも一緒につくっていく覚悟を持った小商いを選定。結果、焼菓子店・フレンチビストロ・ヘアサロンの入居が決まった。皆40歳前後の一人店主という事もあり、移住者・地元のママさんとバランスの良いメンバーが集まった。
オープニングのお披露目会では、地元の人や建築関係者など延べ400人以上の方にお越しいただいた。本プロジェクトが単に一建物のリノベーションではないことを伝えるためのトークイベントも行い、地元の方にも来ていただき、関心の高さが窺えた。
その後、オープン時と変わらない店舗が現在も入居。夜も人がまばらだった街が、今では多様な飲食店ができ、エリアリノベーションがされ始めている。
Overview 概要
- プロジェクト名
- 中宇治yorin
- 期間
- 2015年10月~2016年11月
- 所在地
- 京都府宇治市宇治妙楽17-8
- 規模
- 木造2階建て
- 用途
- 住居→店舗3+イベントスペース1
- 設計
- 一級建築士事務所expo
- ヴィジュアルデザイン
- 岸本敬子
- WEB制作
- 岡本彩
- 写真
- 平野愛