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あたらしい職住一体群

エリア
京都府京都市上京区三軒町53
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「つれづれnishijin」は、西陣のあたらしい職住一体群として、北野商店街沿いと路地の一体の7軒の木造戸建てをリノベーションした。

古き良き伝統と、若い店舗の「今っぽさ」が程よく入り交じる街

木造戸建てを複数軒、一体で所有しているオーナーから、代替わりのタイミングで相談を受けた。
西陣は名の通り、古くから西陣織で栄えたものづくりの街。そこに住みながら働く「職住一体」が支えてきた街ともいえる。また、ここ数年は、エリア周辺に若い人の店が増えつつあります。花屋や焼菓子店など、少し大人のゆったりとした、本格的な素敵な専門店が多い。もちろん、天神さん(北野天満宮)も近く、古き良き伝統と、若い店舗の「今っぽさ」が程よく入り交じる、それが今の西陣の魅力でもある。

路地の良い雰囲気が今も残されている

街と相性が良く、京都に必要とされている、○○兼住居

一方、工房兼住居や自由度の高いアトリエ事務所、京都で求めている人はたくさんいるのに、なかなか物件が無い。そんな訴えを数年のリーシング経験で、たくさん聞いてきた。京都の資源である若き作り手の皆さんの礎となる場を作らねば、と思ったのが計画のきっかけとなった。
交通利便性は決して高くないが、住むための街として成熟したからこそ、住みながら働いて暮らしたいという現代の価値観にハマる。そこで、店舗だけでも住居用途だけでもない「○○兼住居」という職住一体を企画の軸とした。

商店街沿い・路地・路地奥という性格の異なる3つの群を、場の特性と建物の特徴から、商店街沿い【店舗】・路地【店舗兼住居】・路地奥【アトリエ兼住居】として計画。

そこで、テーマを「西陣にあたらしい職住一体群」とした。つれづれnishijinの名前は、ふらっと連なっているさま。ちょっとテンションの上がる日常を、入居者も近所の人にも作り出せたらという想いで命名した。

クリエイティブな入居者入居者が手を入れたくなるよう、手残りのあるリノベーション

クリエイティブな入居者が手を入れたくなるよう、天井は断熱材のまま、壁はベニヤ板のままなど、あえて手残りのあるリノベーションを施した。ただし、水回りや土間床といった借主自身での工事が難しい場所は、オーナー側工事で済ませるなど、工事内容にメリハリを利かせた。また、改修前から募集を図り、ヒアリングする中で、シャワーを浴室にバリューアップする代わりに、壁面は合板のままにするなど、予算内での工事内容の調整を行った。

簡素だが、クリエイティブな入居者を想定した工事としては、最適解だと考えている

人が入れ替わっても、トーンと統一された入居者

リーシングでは、年齢や性別などのアイコンではなく、トーンを統一することに注力した。結果、エッジの立った専門性の高い、個人事業主の入居者が集った。初回入居者から入れ替わっている区画もあるが、2組目以降も、トーンが統一された入居者が集まっている。

現在は、このようなメンバーで、大人の力量のあるクリエイティブな方々に入居いただいている。

  • Vandaka plants(着生植物専門店)
  • プロテア(WEB制作)
  • す(日本のワインバー&ショップ)
  • SECOND ROYAL SHOP(音楽レーベル・レコードショップ)
  • comfy design(ヴィンテージプリントショップ)
  • musubi(和食バル)

オーナーさんや我々の想いを感覚的に理解してくれる入居者さんに恵まれ、「何かこの辺雰囲気が良くなったよね?」と通りがかりの人が思ってくれるくらいのエリアにはなってきた。アンドプレミアムのでも、エリアとして特集された。

D区画の2組目に入居者したのが、写真右のレコードショップ「SECOND ROYAL SHOP」。写真左はイベントスペースの蔵。

Overview 概要

プロジェクト名
つれづれnishijin
期間
2018年12月~2019年10月
所在地
京都府京都市上京区三軒町53
規模
木造2階建て・平屋建て計8戸
用途
工房兼住居2・工房1・店舗兼住居2・店舗2・イベントスペース1
施工
アトリエロウエ
写真
平野愛

Access アクセス