あたらしい職住一体群
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- 内装
- リーシング
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物件名 | つれづれnishijin |
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時期 | 2018.12~ |
所在地 | 京都市上京区三軒町 |
規模 | 木造戸建7棟 |
用途 | 工房兼住居2区画・工房1区画・店舗兼住居1区画・店舗2区画 |
「つれづれnishijin」は、西陣のあたらしい職住一体群として、北野商店街沿いと路地の一体の7軒の木造戸建てをリノベーションした。
[依頼]
木造戸建てを複数軒、一体で所有しているオーナーから、代替わりのタイミングで相談を受けた。
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[調査]
西陣は名の通り、古くから西陣織で栄えたものづくりの街。そこに住みながら働く「職住一体」が支えてきた街ともいえる。また、ここ数年は、エリア周辺に若い人の店が増えつつあります。花屋や焼菓子店など、少し大人のゆったりとした、本格的な素敵な専門店が多い。もちろん、天神さん(北野天満宮)も近く、古き良き伝統的な街なみと、若い店舗の「今っぽさ」が程よく入り交じる、それが今の西陣の魅力でもある。
一方、工房兼住居や自由度の高いアトリエ事務所、京都で求めている人はたくさんいるのに、なかなか良い物件が無い。そんな訴えを数年のリーシング経験で、たくさん聞いてきた。京都の資源である若き作り手の皆さんの礎となる場を作らねば、と思ったのが計画のきっかけとなった。
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[企画]
交通利便性は決して高くない住むための街として成熟したからこそ、住みながら働いて暮らしたいという現代の価値観にハマる。そこで、店舗だけでも住居用途だけでもない「○○兼住居」という職住一体を企画の軸とした。
「西陣にあたらしい職住一体群~ちょっとテンションの上がる日常を~」
商店街沿い・路地・路地奥という性格の異なる3つの群を、場の特性と建物の特徴から、商店街沿い【店舗】・路地【店舗兼住居】・路地奥【アトリエ兼住居】として計画。
つれづれnishijinの名前は、ふらっと連なっているさま。「ちょっとテンションの上がる日常」を入居者も近所の人にも作り出せたらという想いで命名した。
つれづれnishijinWEBサイト https://turedurenishijin.localinfo.jp
コラム「あたらしい町家の残し方」https://addspice.jp/2019/02/07/microdebelopmentofmachiya/
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[内装]
ものづくりの入居者が手を入れたくなるような、控えたリノベーションを施した。ただし、水回りや土間床などなかなか自ら工事が難しい場所はきっちりと工事を完了させるなど、施工内容にメリハリを利かせた。また、改修前から募集を図り、ヒアリングする中で、シャワーを浴室にバリューアップする代わりに、壁面は合板のままにするなど、予算内での工事内容の調整を行った。
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[リーシング]
リーシングでは、年齢や性別などのアイコンではなく、トーンを統一することに注力した。
結果、エッジの立った専門性の高い、個人事業主の入居者が集った。
■7区画の入居者
A 着生植物のショールーム: vandaka plants
B 画家のアトリエ: STUDIO D’ARTE CORVO
C ウエディングカメラマンのアトリエ:atelier marugo
D カフェ兼写真家のアトリエ
E 計画中
F ヴィンテージペーパーショップ兼デザイン事務所: Comfy design
G 和食バル: musubi
■内覧会
地元への認知のため、入居者+地元作家によるマーケットを開催した。その時に作成した屋台は、家具製作も得意な工務店と共同制作し、ECサイトで販売した。
手前は土間で新しい路地活用
A号室は一面土間の上級者向け
C号室はいわゆる町家型で家族向け。
既存を活かした縁側のような空間。
B号室はアトリエ事務所。水回りも気が利いています
空間のポイントとなるキッチンは造作
水回りも手を抜いていません
天井は断熱仕上げ。補強工事も入れています。
ロゴはオーナーが教えている建築の専門学校でコンペで選出
7区画全体を「職住一体群」と見立てた計画
BEFOREの様子
BEFOREの様子