Eビル観光拠点計画
- 調査
- 企画
- 設計
物件名 | Eビル |
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時期 | 2019.10 |
所在地 | 千葉県香取市佐原 |
規模 | 鉄骨造2階建 |
用途 | 観光トイレ・宿泊施設・飲食製造販売 |
依頼
「特に若い人が集う場にしたい」と地元の30代の個人がビルを購入。元電気屋でしばらく空き家となっており、水回りは改装が必要とされた。
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[エリアの特性]観光地として知名度のある佐原
・佐原の中心部は、水郷で知られる観光地で、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。ただ、外観を整えすぎた町並みで、富裕層向けの宿泊施設しか現状無い。
また、香取市では移住・定住を後押しする事業やサービスを積極的に支援し、民間もサービス複数ある。ただ、中心地に移住者がお試し移住できる場 所がなく、地元住民などと交流ができずにいる課題がある。今回の建物で、これらの課題を解決したい。
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[企画提案]観光地に地元の人にとっても嬉しい日常を
■条件
オーナーやこの街で育った人からのヒアリングから、「自分達が若い時は集う場があったが、高校生が集まる場が駅前にも無くなってしまった」との声が多く聞かれたことから、学校の通学路として機能し、寄り道する理由があれば、若い人が集まる場になりえると判断。
観光客向け公衆トイレの整備のための、 観光公衆トイレの整備費用の補助金を実施し、できればオーナーはこれを活用したい意向。
コンテンツとしては、観光トイレのほか、アイスクリームショップ(佐原の特産でもある米を使ったオリジナルの商品展開)、宿泊施設を調整できている。
■提案
1階:観光トイレとアイス店+2階:宿泊施設 3つの機能を複合施設として計画
「女子中高生も、 移住希望者も、 地元のおっちゃんも、 ちょっと寄りたくなる たまり場に」
観光トイレは、観光客だけでなく「女子中高生がわざわざ寄りたくなる装置」として、お化粧のできるトイレを提案。
女子中高生(学生)・移住希望者・感度の高い観光客・地元の人が、 この街で出逢うことのなかった人たちが、 この複合施設を共有することで、緩やかな関係性を築く。
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[設計提案]トイレをフックに
■お化粧のできるトイレ
学生向きではなく、ちょっと背伸び感のある 透明感がありテンションの上がる内装。
たまり場を失った中高生が立ち寄る装置として、女子向けに しっかりと設備とメイクのできる、テンションの上がるトイレをつくる。可愛さに振るわけではなく、少し大人びたような内装。また、トイレ補助金を徹底的に活かすこともできる。
■街(待ち)ライブラリー
学生にはぜひ男女で寄ってもらいたい。 だいたい男女でトイレに行くと男性が女性を待つことが多い。ただ、トイレの目の前で待つのも 気まずい。そんな男子の気持ちを考え、待つ男子のためのライブラリースペース。トイレから 出てくるのを待ちつつ、街の本屋フリーペーパー、本を読むことができる。 待つ男子以外にも、本好き学生も集客できる。
また、観光MAPやお勧めの店などのDMも置くことで、観光客にも便利な場所になり得る。
■観光客の新土産としてのアイス製造・販売
アイスの製造は、様子が見えるようウィンドウに。もちろん地元住民や、カウンターは商品を並べられる場所も用意。 全体を覆うボックスは、木を見せても。
■イートインコーナー
アイスを食べても食べなくても、井戸端会議ができるようなコーナー。外からもガラス越しに見えやすい。 家具は、移動しやすかったり、躊躇なく座れるような工夫が必要。高校生の帰り道やデートスポットにもなりえる。