それは予告もなく突然に

家の近くの堀川商店街の店が、近ごろ軒並み閉店している。
改装に入ることは知っているので、いずれ閉店するのは分かってはいるのだけど、
その別れはいつも突然やってくる。

とくに閉店のお知らせなく、突然、A4の紙が一枚。
「当店は11月末に閉店しました。56年の間お世話になりました。」
という具合に事後報告。

数十年だというのに、なんというあっさりした終わり方なんだろう。

いつも、一方的にフラれたような、なんとも哀しい気持ちになる。
年に数回しか行かないくせに、近所の住人(私)も勝手なものだ。

閉店しないのにしょっちゅう閉店セールするような大手スーツ店とはわけが違う。

実に京都的だとも思う。
彼らには天性で「終わり方の美学」みたいなものが染みついてるんじゃないだろうか。

日常の延長に終わりがあり、
それを淡々と受け止める。
そうだとしたら、相当格好良い。