ニュートラルなシェアハウス

物件名sharehouse PATHTO
時期2019.11~2020.4
所在地京都市上京区東神明町
規模木造2階建て
用途シェアハウス/店舗付き住宅
設計株式会社SWAYDESIGN
施工株式会社椎口工務店
ヴィジュアルデザイン鮒池 涼香
WEB・イラストパース岡本 彩

調査 シェアハウス+店舗付き住居の複合用途
海外生活の長いオーナーから、代々所有している自己物件でシェアハウスを作りたいという依頼があった。建物は、もともと紡績工場として建てられ、その後、先代で学生寮を営まれていた。住宅部分の一部は、元米穀店で、備蓄倉庫として使っていた大きな防空壕もある。歴史が折り重なった面白い建物である。
シェアハウスだけでなく、オーナーの奥様が喫茶店を開く意向があった。元学生寮をシェアハウスに、元米穀店部分を喫茶に、一棟の建物に、シェアハウス・店舗(喫茶)付き住居を併設という、既存用途位置を極力変えない構成に決まる。

[企画] 「いわゆる京都らしさは不要」
オーナーからの要望で、「いわゆる京都らしさは不要」とあった。この地は、京都の中の京都、西陣。この街の特徴である、歴史を重んじつつも革新的、老若男女・個性的な面白い人が集まり、長期的に緩やかな大家と店子の関係こそ京都の良さなのではないか。そのような意図で、「ニュートラル」をテーマにした。
オーナー夫妻自身がテーマ通りの、「ハイカラで新しもん好き」なクリエイティブ職の京都人。また、シェアハウスオーナーにぴったりの、さっぱりとチャレンジ精神のある人柄であることから、全面的に前に出て関わってもらうことにした。シェアハウス入居者・オーナー・西陣の街が、喫茶や中庭を共有することで、京都らしい緩やかなで確かな距離感で過ごす。
シェアハウスは一生住むわけではないが、ときとして良い出会いに恵まれる。そこで、「人生の寄り道」にしてもらいたいとの思いで、「PATHTO」(PATH:寄り道の造語)と名付けた。

 

[チーム編成] 難易度の高いシェアハウスに最適なメンバー
まだまだ関西におけるシェアハウスニーズは少ないが、一般賃貸と同額程度の賃料のシェアハウスを作る必要があり、一般賃貸以上の価値を作り出すことが必要である。そこで、東京で多数のシェアハウスの経験のある建築士に依頼。弊社岸本も同時代にシェアハウスの経験があり、互いの経験を総動員した。

デザイナーは、京都のシェアハウスに住んでいたことがあり、まさにターゲット層の暮らしをしていたことから、肌感覚の分かる提案をしてくれた。
工務店も、木造戸建てに強く、細かい仕上げや造作家具に明るい工務店を選定。全員30代の作り手チームで挑んだ。

 

[設計・施工] ダイニングキッチンに焦点を絞る
オーナーも交えた定例打合せを重ねる。万人受けは目指さず、グッとくる人にはグッとくるシェアハウスにすることを主軸におき、設計詳細を決めていく。個室や共用部のプランは必然的に決められていき、ダイニングキッチンが横長の空間にならざるを得ないことから、リビングを置かず、オリジナルのキッチン台をメインにすることとした。せっかくなので、柄の一枚板で特徴づける。カラーミラーも特別感と広さを演出する。個室の壁・床の色も決して真っ白ではなく、ニュアンス色で、入居者が自分らしく手を入れやすい空間にした。結果、性別や年齢、国籍を問わず、テンションが上がる日々を送りたくなるような空間が作り出せた。

 

[募集] 特徴あるデザインで、トーンの近い入居者が集まる
工事中から、デザイナーによるイラストパースでDMなどで募集を開始。
コロナショックによりなかなか厳しい市況にもかかわらず、完成前から入居者が決まる。また、特徴のあるデザインだからこそ、入居者が自然と選定されていることを実感。自分を持っていて、熱中しているものがある、想定していたターゲット層が集まった。男女・年齢・国籍などの属性ではなく、トーンの近い人が集めることができた。

 

 

※同敷地内の喫茶店は7月オープン予定。

※続々とお申し込みをいただいていますが、募集をしています。入居希望の方はこちらから。

089_程よい距離感の喫茶店付きシェアハウス

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