改装可能な一棟アパート

物件名calme 西荻窪
時期2012.02
所在地東京都杉並区善福寺
規模RC造3階建(各室24~30平米)
用途賃貸→DIY賃貸

築25年、駅13分の何の変哲もないアパート一棟を、改装可能なワンルームとして建て直した。

もともと賃貸管理を請け負っていた築古のアパートが借り手がつかずに困っていた。そこで、「入居者自身が改装できる物件」として付加価値をつけて募集しないかと提案。当時住居ではほとんど前例がなかったが、自身や周囲が改装して住んでいる経験や西荻窪という骨董通りがあり緑豊かな環境の地域性からオーナーを説得した。見事ターゲット層にハマり、一次募集2室は30日の短期で成約。メディアもうまく利用し、以降空室が出次第改装物件として募集し、現在全戸数の半数以上が改装可能物件として稼働している。

オーナーにとっては早期回収だけではないメリットがあった。ひとつに、表層の内装工事は行わずに募集をかけるので、一般的な募集より工事費用が安く済む。また、改修工事は一室から始められるので初期投資も最低限でリスクが少なく始められる。ふたつめは家賃回収の向上である。実は管理を請け負う前、オーナーは入居者の高齢化が進み滞納問題に困っていた。しかし、改装可能物件にすると入居者は20~40代の社会人(しかも初期投資がある程度かかるので属性が良い)となり滞納がほとんど無くなった。企画と募集管理、一貫して担うからこそ分かることである。

そして、改装可能物件で貸主・借主ともに懸念材料となるのが退去時の原状回復である。そこは管理会社であるノウハウを活かし、トラブルを未然に防ぐために、改装前に互いに承認を取りDIY規約を整備することで、両者、そして管理会社としてのリスク回避を図った。

もちろん、借主にとっては自分で好きな空間を作れ、家賃もその分安く住める改装可能物件は魅力的だ。既に5年が経過するが、ほとんどの入居者が愛着を持ってそのまま住んでくれている。工具の貸し借りをしたりパーツを一緒に買いに行ったりと交流もしている。前職を退職した私も、皆とは今でも親交が深い。

自分の住まいを自分でつくる人の輪は、関わる人すべてが良いものにならないわけがない。

 

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